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2008年4月 3日 (木)

“工場町”

 tobaccojuiceの松本君がこないだ大阪にプロモーションで来てくれた。“工場町”というシングルで、7分半に及ぶストリングスも入った大作(実にイントロ1分半!)になっていて、プロデューサーはフィッシュマンズ、Polarisのユズル君。音の隙間にグルーブもあり、かなり気に入っているCDであります。業界っぽいことを言うと、曲が長いのはラジオOA上ではデメリットでもあるのですが「この尺だから意味がある!」ステキシングルなので、挑戦、冒険、遊び心のあるディレクターさんにたくさんかけて頂きたい、今日この頃です。たくさんの人に聞いて欲しい未来永劫です。

 取材に立ち会ってて耳に入ってきたのが、松本君が生まれた広島の田舎町は工場でなりたっていたそうで、東京に出てくるまではその町のことが嫌いで嫌いで、早く離れたかったのだと。けれど、東京に出てしばらくしてから、友達や恋人や家族や、工場から出される煙までも「あ、オレあの町好きだったんだ」と気づいたのだそうです。歌詞は決して直接そんな恥ずかしい表現はしていないのだけど、そんな思い出や出来事が浮かんでくる、誰が聴いても生まれたところが浮かんでくるよーな、ステキな言葉が散りばめられています。ショートムービーを見てるような、そしてそれが自分の生まれ育った景色に変わってくる、魔法のような曲なのです。

 そいえば、今年はじめに民生さんが同じくプロモーションで来られた時にインタビュアーの人が、「物すごく月並みですが、広島のことは好きですか?」と質問して、内心(月並み過ぎるんじゃない?それぇ・・・・)と、閉口してたら「・・・まぁ、でも、生まれてくるところは自分では選べないですからねぇ・・・・」と。

 う~ん、感慨・・・そして深い。

 確かにそーだ。そこに生まれたのは大げさに言うと運命なので、誰も好きこのんでその土地を選んだ訳ではない。そんなこと出来たらみんなハワイや、NY、スイスや暑いのが苦手な人は北極、ハッ○好きな人はオランダ、やらなんやら。僕の生まれた伊丹空港近くの騒音がひどい地域なんて誰も選ばんよなぁ・・・でも、そこに生まれた“理由”は誰しも必ずあるのだ、と思ったり。おかん、おとんがその土地を選んで、そこにポコッと育まれた訳は誰しもにあって、それを知って感じて、そこから好きになるか嫌いになるかは生きてる自分次第。きっと、松本君のよに若い頃は見えないけれど、時間がたつと良さが分かって、想い出になってそれを、作ってくれた人や景色や空気にありがたみを感じるんだろーなぁ。書きながら、去年泉大津フェニックスで開催されたRUSH BALLでミドリの後藤さんが「泉大津!アタシが一番愛して、一番憎んだ町!」って曲中に叫んでいたのを思い出した。かなりグッときた一言だった。その日、その場所が特別なものになっていた。

 音楽が気づかせてくれることは無限大。そんなアーティストや曲達を、「知らない」よりは「知ってる」方が絶対人生幸せ間違いなし。少ないけどこれまでの出会いに感謝、そしてこれからも出会い希望。

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